八重を育てた「家族」。新島八重を育てた母、砲術を教えた兄、そして夫など、八重とその家族たちを紹介します。

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コラム:会津のおせち

新年を祝う会津のおせち。先人の智恵を受け継ぐおふくろの味

会津のおせち料理写真

おせち料理-。聞いて連想するのは、豪華、美味しい、ちょっと味が濃いめ-? いずれにせよ腕によりをかけて作った、年に一度の晴れの料理だ。
交通が今より格段に不便だった時代。流通に時間はかかったが、一方でその地域で独自の食文化が築かれた。おせち料理も同じく、その地域により独特のものがある。

会津のおせちにも独特なものが多く、棒たらの甘煮、豆数の子、にしんの昆布巻や甘煮、人参の煮なます(氷頭なます)、ぜんまいの煮物、わらびのお浸し、酒粕漬けなどがそうだ。一の重には、卵焼き、かまぼこ、きんとん、ゆりの甘煮、数の子など。二の重には、黒豆、にしんの甘煮と棒たらの甘煮、人参の煮なます、豆数の子。三の重には、大根・人参・ごぼう・しいたけ・里芋・磐梯竹・昆布などの煮物。会津で手に入る食材をふんだんに使ったおせち料理を彩りよく盛りつけ、一年の始まりを家族みんなで祝う。

正月の慣わしは、まず元日の朝、一家の男性が若水汲み(水を汲むこと)を行い、家内安全、無病息災を祈願し、神様にお神酒やそばなどとともにお供えをする。お供えを済ませると家族が集まり、屠蘇酒を飲み、つゆ餅(雑煮)やそば、おせち料理を食べ、子どもたちはお年玉をもらう。会津では元日にそばを食べる家では二日は餅、元日に餅を食べる家では二日がそばになる。一年の健康と歯が丈夫であるようにと願って、歯がための実や飴なども食べる。

会津は海から遠く、山の幸が中心のおせち料理。長年かけて培われた保存食材などで作られたおせちは、会津ならではの、まさにおふくろの味。男まさりの八重も母・佐久とおせち料理を作っただろう。こうして母から子へと、今までもこれからも、連綿と受け継がれていくのだ。

福島県観光交流局観光交流課
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