HOME » ふくしまと八重 八重を育てた「家族」 » 高木 時尾
八重の家族についてはいくつかの情報がありますが、友人については意外と少ないものです。高木時尾はそのなかの一人。八重の幼なじみで家も近所だったため、時尾の祖母が八重達に裁縫を教えていました。当時の女性はあまり外出する機会が無かったため、お互い大切な存在だったのでしょう。
そんな二人の親しい間柄を示すエピソードがあります。八重が籠城戦の際に男装・断髪して戦ったのは知られていますが、その八重の髪を切ったのが時尾といわれています。八重が自分で髪を切ろうとしましたがうまく切れず、それを手伝ったのです。女性にとって大事な髪の毛を切ったこの話からも、二人が近い関係であったことが想像できます。
戊辰戦争後、時尾は新選組で有名な斎藤一の妻となり、3人の子供をもうけました。この結婚は、会津藩主だった松平容保が仲人を務めたと伝えられています。
八重の周囲の人々を紐解いていくと、こういった興味深い関係性が見えてきます。今後注目を浴びるにつれ、さらに新たな史実が解明されていくことでしょう。